製品の原価のうち最も構成比率が高いのが材料費です。原価の資料を見るとどうしてもこの部分のコストを下げたくなるものですが、なかなか難しいものがあります。それらにどう取り組んでいるか、その実例を交えてご紹介します。
材料費は製品を構成する部品のコストですから、削減するには二つの方策しかありません。 一つは使う部品を減らすこと、もう一つは購入単価を下げることです。前者は設計部門が担当で、後者は購買部門が担当することになります。
設計が行うコスト削減活動は設計VAと言われます。VAはValue Analysisの略で、直訳すれば価値の分析ということになるでしょうか。では、その価値とは何かというと、機能を実現することではないかと考えます。製品に求められる機能を如何に実現するか、それを考えるところに価値が生まれるということでしょう。考えるのは主に設計者ですから、人によって考え方が違うこともあるでしょうから実現方法は一つではなく複数あってもよいはずです。そこに設計VAを取り組み余地があるということです。
現実にはどのようなことが行われるかというと、大きく3つあります。
・一つは部品や材料の置き換えです。今使っているものと同じ機能と性能でコストが安いものがあれば置き換えることでコスト削減になります。標準的な部品や材料であれば別のメーカー製の方が安いということもあります。
・二つ目は、設計の見直しで異なる実現方法を採用することです。例えば、3つの部品で構成されていたものを2つの部品で実現できるようにすることでコストを下げることが出来ます。あるいは、電気回路などでは念のため入れている抵抗やコンデンサがあったりしますので、それらを見直すことも有り得ます。
・三つめはスペックの見直しです。いわゆるオーバースペックであると製品コストは高くなりがちですので、求められる機能を実現できる最低限のスペックで良しとすることでコストを下げられることがあります。例えば、加工部品の場合、図面上で指示している誤差が厳しすぎると加工時間が長くなったり、スペックアウトで不良品が出たりしますので、その指定する誤差を緩和することでコストを下げられる場合があります。
以上、今回は設計VAの実例をご紹介しましたが、次回は購買のコストダウン(C/D)について書こうかと思います。
久保丈夫コンサルティング事務所では、各種の原価低減活動を直接ご指導いたしますので、ご興味を持っていただけましたら、お気軽にご相談ください。