原価管理は企業ニーズに合わせて柔軟に

 どのようなビジネスにおいても「収益-経費=利益」という単純な計算式が成立ちます。企業は利益を出し続けることが使命ですから、常にこの計算式の中で企業活動を行っていると言ってもいいでしょう。ここで算出される利益はいわゆる管理会計としての利益で、財務会計で作成される損益計算書による利益とは異なります。

 この項では、何故、経理部門が損益計算書を作成しているのに、それとは別に管理会計として利益を計算する必要があるのかということと、その管理会計の必要性を解説していきます。

管理会計の必要性

 まず財務会計について触れておきますが、これは会社法で決算公告を行わなければいけないと定められていることから、株式会社であれば必ず作成しなければならず、その作成ルールも適用する会計基準に合わせて決められています。というのは、第三者がその会社の財務状況を見るときに、異なったルールで作成された決算報告では比較ができないためです。

 これに対して管理会計は社外に公表するものではなく、あくまで企業内での管理指標として作成され、使用されるるものですので、それぞれの企業が独自のルールを決めて作成しています。

 この計算式のうち収益、つまり売上は比較的簡単に求められます。製品を販売している企業であれば、製品単価×販売数=売上となるからです。サービスを提供している企業であれば、単価×投入時間=売上となりますので分かりやすいですね。

 一方、経費の方は複雑です。企業活動を行う上で必要となることのすべてがこの経費に含まれているからです。そしてこの経費の中身は内容ごとに数多くの費目に分かれて管理され、それぞれの費目ごとに集計し、全体の経費として算出されます。

 そして、冒頭に示した収益-経費=利益という計算式によって利益が算出されることになります。これら一連の数値を管理するのが管理会計というもので、どの企業においても多かれ少なかれ管理しています。言葉を変えて言えば、精密に管理している企業もあれば、おおざっぱな数値として捉えている企業もあります。

 ここで言う原価管理は会計上の損益計算書ではなく、いわゆる管理会計における原価のことであり、主に製品の原価が中心となります。とはいえ、その原価にも様々な種類があって、各企業が管理したい内容を含んだ原価が使われます。

 例えば、原価と名が付くものをピックアップしてみると、実際原価、標準原価、製造原価、販売原価、見積原価、直接原価、全部原価などなど多くの種類があり、それぞれ算出方法が違いますが、その算出方法も企業によって異なったりします。

 つまり、原価管理と言ってもその計算や算出の方法が重要ではなく、企業経営にどのように役立てるかということが重要となります。

 このブログでは中小企業の利益率を高め、従業員の賃上げ原資を生み出すことを考えていきますが、そのもとになるのが原価管理ですので、どのような企業、どのような業種であっても、まずはこの原価をしっかり把握することが基本です。

 現状を知り、目標を設定し、その目標をいかに達成するか、それが企業経営だと思います。その企業経営を少しでもサポートできたらという思いでこのブログをつづっていきたいと思っています。

投稿者: くぼこんさる

中小企業の業務改善・原価改善・収益性改善・経営指導・社内研修を専門とするコンサルタントです。長年製造業に勤務していましたので、現場に寄り添った改善活動を進めています。

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